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学芸員の石田が執筆した論文が2023年度植生学会論文賞を受賞しました

学芸員の石田が執筆した論文が2023年度植生学会論文賞を受賞しました

2023年11月3日 更新

学芸員の石田が共同研究者と共著で発表した論文が、2023年度植生学会論文賞を受賞しました。その授賞式は2023年10月14日の植生学会第28回大会において行われました。
論文のテーマは、シナノキンバイやミヤマキンポウゲなどからなる広葉草原(一般に高山のお花畑と呼ばれている)について、群落ごとの立地や成立要因について明らかにしたものです。
調査地である北アルプス後立山連峰には、多様な広葉草原が成立、広がり(写真)、異なる地史的背景を持って現在の地形・地質に対応して成立していることが分かりました。

本論文は、情報が少ない亜高山から高山の広葉草原群落について、精力的なフィールド調査を行い、多くの地点データを収集し解析を行っていること。また、立地環境だけでなく、構成種の地理分布や高度分布といった様々な視点からの充実した考察を行っており、対象地域の植物群落の成因を解釈する上で、重要かつ新たな視点を与えているとして、高く評価されました。

 

【論文情報】
石田祐子, 松江大輔, 井上亮平, 小松(谷津倉)勇太, 武生雅明, 中村幸人, 2022 . 北アルプス後立山連峰北部における広葉草原の種組成と成立要因. 植生学会誌39 (1) :15-29.
DOI: https://doi.org/10.15031/vegsci.39.15

 

また、本論文の研究成果を含む一連の研究の概要は、以下の書籍に掲載されています。
【書籍情報】
石田祐子,2023.高山のお花畑 植物たちの逃避地.愛しの生態系 研究者とまもる「陸の豊かさ」 植生学会 編,前迫ゆり責任編集,92-97.株式会社 文一総合出版.東京

 

北アルプス後立山連峰の広葉草原の例(後立山連峰に広く分布するクロトウヒレン-ミヤマシシウド群集)

北アルプス後立山連峰の広葉草原の例(蛇紋岩地に成立するカライトソウ-オオヒゲガリヤス群集)