魚の会(うおのかい) 令和8年度第3回講演会「相模湾の魚は2,000種類!? 多様性をささえる歴史と背景」
相模湾の魚類研究は、ペリー来航期(19世紀半ば)から今日まで、150年以上にわたり継続して行われてきました。明治期には日本初となる臨海実験所"三崎臨海実験所"が設立され、そこを拠点に田中茂穂をはじめとする日本人魚類学者が活躍し、分類学的研究が大きく発展しました。こうした長い研究史の積み重ねにより、現在では相模湾で記録された魚類は約2,000種に迫るとされています。
相模湾は、約2,450平方キロメートルという限られた海域でありながら、砂浜・藻場・干潟・汽水域・サンゴ群落域・深海域など、きわめて多様な環境を内包した"箱庭"のような様相を呈しており、黒潮と親潮の影響が重なる海域であることに加え、近代以降、国内外の研究者が継続的に調査を行ってきたことが、記録種数の増加と多様性の把握を強く後押ししてきました。
本講演では、こうした相模湾の多様性を支えてきた環境の特性と、魚類研究の歴史的な積み重ねについて、古い記録のレビューから最新の知見までを紹介し、相模湾が「2,000種の海」に至った背景を解説いたします。

初代三崎臨海実験所所長・箕作佳吉が新種記載した"テングギンザメ"

近年の海水温上昇によって相模湾に現れたナンヨウハギ

三崎臨海実験所の技官・青木熊吉が採集した"謎のアナゴ"(正体は講演会にて)
講師:和田英敏(わだ ひでとし) 神奈川県立生命の星・地球博物館 学芸員
鹿児島大学大学院博士課程修了後、東京大学総合研究博物館にて特任助教として勤務の後、現職にて魚類を担当。大学院ではカサゴの仲間の分類研究を行い、現在は相模湾を中心に日本黒潮流域の魚類多様性の調査に取り組んでいる。和田英敏の紹介ページ
| 開催日 | 2026年10月18日(日曜) |
|---|---|
| 場所 | 当館1階 西側講義室 |
| 開催時間 | 14時から15時 |
| 申し込み | 事前申し込み不要・当日受付 |
| 料金 | 無料 |
| 主催 |
魚の会(うおのかい) 「魚の会(うおのかい)」は、研究や産業、趣味を通じて「魚」に携わる人々が気軽に集い、親睦をはかり、あわせて水圏の環境保全に寄与することを目的として活動しています。第一線で活躍されている著名な先生をお招きして開催している年4回の講演会には、どなたでも自由に参加できます。お知り合いの方もお誘い合わせの上、お気軽にご参加ください。 |
| 問合せ先 | 神奈川県立生命の星・地球博物館 担当:和田英敏 電話:0465-21-1515 e-mail:wada.kpm-ni@nh.kanagawa-museum.jp |