自由研究のやり方・まとめ方
自由研究(自然史科学)に取り組む児童・生徒のみなさんへ
自由研究には、科学者がやっている研究のやり方を知って、科学的な考え方やまとめ方を学ぶという目的もあります。ここでは、自然史科学の研究者が行なっている研究の進め方を紹介しますので、自由研究の参考にしてみてください。
自然史科学のすすめ その1
自由研究のやり方
1. 何について研究するか決める

身の回りの自然にじっくり目を向けると、実は不思議なことがたくさん隠れています。「なんでだろう?」や「知りたい!」と思うことが研究の始まりです。興味を持ったきっかけは、「生き物が気になったから」、「石がきれいだったから」、「花がさく様子を見てみたかったから」、「テレビで見たから」なんでもよいです。
2. 調べる

研究したいことについて、本やインターネットで事前に調べてみましょう。
- 野外で観察したい人は、どこで観察したいものが見られるか、インターネットや本の他に地図で調べてから計画を立てると良いでしょう。
- 標本を作りたい人は、作り方や必要な道具も調べておきましょう。
- どんな本を調べたらよいか分からない時は、図書館で司書さんに相談してみましょう。
3. 予想を立てる
研究を始める前に「こうなるんじゃないかな」と、必ず 自分なりに予想を立てましょう。
4. 研究の方法を考える

「予想」が合っているか確かめるための「研究の方法」を考えましょう。
実験・観察など自分の研究に一番よい方法を考えてみましょう。とくに野外観察は、一番よい観察場所を決めることが大切です。計画をしっかり立てたら、必要な道具や資料なども書き出しておきましょう。
5. 実験・観察・記録する

「研究方法」のとおりに研究を進め、わかったことをノートに記録しておきます。あとで研究結果をまとめることを考えて、写真をとったり、スケッチをしたりして、見てわかるように記録しましょう。
6. 考える
実験・観察などをして、何が分かったか、考えてみましょう。
- 「予想」は合っていたでしょうか?ちがった場合は、どうしてか考えてみましょう。
- 新しい疑問がうまれたら、それも書くと次の研究へとつながります。
自然史科学のすすめ その2
自由研究のまとめ方
研究が終わったら、わかりやすくまとめて発表用の資料を作ってみましょう。
1. 発表方法を決める

自分の研究を他の人に伝えるときに、一番分かりやすく伝えられる方法を選びましょう。例えば次のような方法があります。
- 模造紙:一目で見わたせるので、見せ方に工夫ができます。
- レポート用紙・ノート:研究をじっくり読んでもらいたいとき、観察日記など記録が多いときにおすすめです。
- スケッチブック:色えんぴつ・ペンなどで描けるので、絵やスケッチを多く描きたい人におすすめです。
- 模型・標本:実際に標本を作ったとき、実験装置をつかったときなどは、模型や標本を発表用資料につけておくと、研究内容をうまく伝えられます。
2. 研究をまとめる

自由研究をまとめる時は、次のような順番で書きましょう。研究を進める時の順番と同じですね。
1. 題名
何についての研究なのかがわかる題名を考えて、大きな字で書きましょう。自分の名前も忘れずに書きましょう。
2. 研究のきっかけ
なぜその研究をしようと思ったのか、何を調べたいと思ったのか書きましょう。
3. 予想
研究を始める前に予想したことを書きましょう。自分の経験を書くのもよいです。
4. 研究の方法
どうやって研究したのか他の人にもわかるように、研究の方法や使った道具などを詳しく書きましょう。
5. 結果
実験・観察の結果だけを書きましょう。自分で発見したことと、他の人から教わったこと、本やインターネットを見て知ったことは、わけて書くことが大切です。
- 数の変化は、表やグラフで表すと分かりやすいです。(グラフには単位を書くことを忘れずに!)
- 観察したときは、日付や時間、天気なども書いておきましょう。
- 色の変化などについて書く時には、写真があるとわかりやすいです。
- 観察したものの名前は、図鑑などを使って自分で調べてみましょう。
- 観察したもの大きさ、時間、形などを書くときは、できるだけ数字で表現するようにしましょう。
例:「大きな花」→「長さ● cm、幅● cmくらいの花」
「花がすぐ開いた」→「花が開くのに●●分くらいかかった」
「つめが曲がっている」→「つめの角度が●度くらい曲がっている」
6. 考察
結果からわかったこと、自分の考えをまとめましょう。自分の研究結果を、本やインターネットの情報や、他の人の研究結果と比べてみるのもいいですね。


7. 参考にしたもの
インターネット、本、新聞などで見た情報(図、写真、文章など)を発表に使う場合には、なにで見たのかを書いておきましょう。
書き方の例
- 本:本の名前、著者名、発行年、出版社
- インターネットのページ:ホームページのサイト名、URL
- 画像:新聞や雑誌名、ホームページのサイト名など