魚の会（うおのかい） 令和元年度第1回講演会「拝啓ヤドカリ様－もっと知りたいので質問します－」

日程：2019年5月26日（日曜）

ヤドカリはエビやカニと同じ十脚甲殻類ですが、貝殻を背負っているため、まったく異なった容姿をしています。また、その貝殻から引越しをする独特の行動がよく知られています。ヤドカリの形態は、エビやカニと共通する部分を持ちながら、貝殻を利用するために他の十脚類には見られない特徴を併せ持っています。さらに、タラバガニのようにカニと見まがう形をしたヤドカリもいます。私たちにお馴染みの生物であるヤドカリについて、多くの人が磯遊びなどで目にした時に不思議に思うことや、何となく耳にしたことのある話題へ疑問を持つことがあるようです。それらに関する質問がこれまで演者の勤める博物館に数多く寄せられてきました。今回の講演は、演者がヤドカリのインタープリター（狂言回し）として、これまでにいただいたヤドカリに関する質問に回答する形式によって、ヤドカリについての理解を深めていただこうとするものです。

講師：奥野 淳兒（おくの じゅんじ）氏（千葉県立中央博物館分館海の博物館 主
任上席研究員）

1969年東京都世田谷区生まれ。日本大学大学院農学研究科修了。博士（理学）。千葉県立中央博物館分館海の博物館主任上席研究員。専門は十脚甲殻類の新種記載や新産地報告などの記載分類学。日本の博物館では初めてと思われるヤドカリだけをテーマとした企画展示「千葉県立中央博物館分館海の博物館マリンサイエンスギャラリー　ヤドカリの世界」（2002年）を主担当として企画・実施した。また、ヤドカリに関する監修書に『育てて、しらべる日本の生きものずかん9　ヤドカリ』（集英社、2006年）がある。