魚の会(うおのかい) 平成29年度第3回講演会 「エビの名前あれこれ」
日程:2017年11月26日(日曜)
私たちは言語でコミュニケーションをとっています。そのため、「モノ」には名前が付けられていて、名前を見たり聞いたりすることで何を指しているのかを理解します。生物の記載分類学は、自然の中にどれくらいの種が存在するかをそれぞれの分類群を専門とする研究者が明らかにしてゆき、必要に応じて名前を与えていく学問です。名前が付けられていなければ、世界中の生物を整理していくことなど、とてもできません。分類学的研究に基づき与えられる名前には、万国共通の「学名」ばかりでなく、日本語による「標準和名」もあります。私はエビを中心とした研究を通して、90種以上の海洋生物に標準和名を提唱してきました。スザクサラサエビやヒボタンサラサエビ、ナデシコカクレエビ、マガタマエビなどはその一部です。公的に使用される生物の名称を与えていく社会的責任を考えると、この行為には慎重さが求められます。今回は、エビの名前が抱える社会的問題や、名前を提唱するまでの経緯、最近提唱したエビの名前を通して、エビの分類学について語ります。
講師:奥野 淳兒(おくの じゅんじ)氏(千葉県立中央博物館分館海の博物館主任上席研究員)
1969年東京都世田谷区生まれ。日本大学大学院農学研究科修了。博士(理学)。千葉県立中央博物館分館海の博物館主任上席研究員。専門は十脚甲殻類(特にサラサエビ科・テナガエビ科)の新種記載や新産地報告などの記載分類学。大学の卒研で分類学の手ほどきを受けた時の研究対象はモヨウフグ属魚類だった。主な著書(いずれも共著)に「エビ・カニガイドブック-伊豆諸島・八丈島の海から-」(阪急コミュニケーションズ、2001年)、「エビ・カニガイドブック2-沖縄・久米島の海から-」(阪急コミュニケーションズ、2003年)がある。
開催日 | 2017年11月26日(日曜) |
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場所 | 神奈川県立生命の星・地球博物館 1階西側講義室 |
開催時間 | 14時から15時 |
参加方法 | 当日受付 |
料金 | 無料 |
主催 |
魚の会(うおのかい) 「魚の会(うおのかい)」は、研究や産業、趣味を通じて「魚」に携わる人々が気軽に集い、親睦をはかり、あわせて水圏の環境保全に寄与することを目的として活動しています。第一線で活躍されている著名な先生をお招きして開催している年4回の講演会には、どなたでも自由に参加できます。お知り合いの方もお誘い合わせの上、お気軽にご参加ください。 |
問合せ先 |
神奈川県立生命の星・地球博物館 担当:瀬能 宏 電話:0465-21-1515 e-mail:senou@nh.kanagawa-museum.jp |