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魚の会(うおのかい) 平成23年度第1回講演会 「田沢湖の固有種クニマス」

魚の会(うおのかい) 平成23年度第1回講演会 「田沢湖の固有種クニマス」

日程:2011年5月22日(日曜)

クニマスはアメリカの魚類研究者ジョルダンとマックレガーが1925年に新種として報告したもので、(1) 田沢湖の深い水深に生息、(2) 体色は黒く体あるいは鰭に黒点がない、(3) 幽門垂数がヒメマスより少ない、などの特徴がある。当時、田沢湖には約60人の漁業者がクニマスを漁獲し、ふ化放流も行われていた。しかし、それからわずか15年後の1940年に電力と潅漑を確保するため、強酸性である玉川を田沢湖に導水したため絶滅した。

一方、2011年に京都大学中坊徹次教授などにより「田沢湖で絶滅した固有種クニマスの山梨県西湖での発見」が報告され、大きなセンセーショナルとなった。しかしながら、西湖におけるクニマスは、いつ・どこで産卵するのかなど生態とともに、遺伝的な把握や形態的な特徴などほとんど把握されていない状況である。

筆者は、秋田県においてハタハタやクニマスなどについて長年研究してきたものである。今回、田沢湖の固有種であるクニマスについて、その生態や漁業実態、絶滅までの経過、今後の展開などについて報告する。

講師:杉山 秀樹先生(すぎやま ひでき)(秋田県立大学客員教授)

1950年、東京都生まれ。東京水産大学増殖学科卒業。学生時代から淡水魚類研究の泰斗中村守純博士に師事し、全国の淡水魚類調査に従事。1977年、秋田県入庁。秋田の名物ハタハタの資源回復に尽力。東北地方の淡水魚の保全やブラックバス問題にも精力的に取り組む。最近では日本魚醤文化研究会を立ち上げる。秋田県立大学客員教授、元秋田県水産振興センター所長、日本魚類学会自然保護委員会委員。著書に「秋田の淡水魚」、「淡水魚あきた読本」、「田沢湖 まぼろしの魚 クニマス百科」、「オオクチバス駆除最前線」、「あきたの地魚・旬の魚」(新刊)など多数。

開催日 2011年5月22日(日曜)
場所 神奈川県立生命の星・地球博物館 1階西側講義室
開催時間 15時から16時30分
参加方法 当日受付
料金 無料
主催

魚の会(うおのかい)

「魚の会(うおのかい)」は、研究や産業、趣味を通じて「魚」に携わる人々が気軽に集い、親睦をはかり、あわせて水圏の環境保全に寄与することを目的として活動しています。第一線で活躍されている著名な先生をお招きして開催している年4回の講演会には、どなたでも自由に参加できます。お知り合いの方もお誘い合わせの上、お気軽にご参加ください。

問合せ先 神奈川県立生命の星・地球博物館 担当:瀬能 宏
電話:0465-21-1515 e-mail:senou@nh.kanagawa-museum.jp