その他の催し物
トップページ
イベント
その他の催し物
魚の会(うおのかい) 令和5年度第1回講演会「謎多き“汎世界分布種”―シロカサゴから読み解くグローバルコンベアーベルトによる輸送システム―」

魚の会(うおのかい) 令和5年度第1回講演会「謎多き“汎世界分布種”―シロカサゴから読み解くグローバルコンベアーベルトによる輸送システム―」

全世界の海水域にはおよそ18,000種の海水魚が生息しており、このうち「汎世界分布種(circumglobal species)」と呼ばれる種は、大西洋、太平洋およびインド洋の三大洋に広大な分布域をもちます。汎世界分布種にはシイラやマグロ類など遊泳力に長けた外洋性魚類が多く含まれ、全世界を回遊・交流しその個体群を維持していると考えられています。その一方で遊泳力の乏しい魚類においても汎世界分布種は確認されており、全長30 cm程度のカサゴ型の魚類であるシロカサゴにおいても全世界に遺伝的にも均一な個体群を有しています。いったいなぜ、遊泳力に乏しいシロカサゴが全世界に広がるにいたったのでしょうか?そのカギが、全世界をあまねく巡る海洋大循環「グローバルコンベアーベルト」にありました。謎多きシロカサゴの実態を形態分類学、分子系統学、生物地理学の視点から紐といていきます。


シロカサゴ Setarches guentheri
神奈川県小田原市沖 KPM-NI 26180 瀬能 宏撮影

 

KPM-NIは当館の魚類標本資料であることを示す記号です。

 

講師:和田英敏(わだひでとし)氏(東京大学総合研究博物館特任助教)

1992年熊本県生まれ。鹿児島大学連合農学研究科修了。博士(農学)。神奈川県立生命の星・地球博物館での特別研究員(学振PD)を経て、現在東京大学総合研究博物館に勤務。専門は海産魚類を対象とした分類学および生物地理学で、学位研究であるシロカサゴ科魚類の分類学的研究はアジア魚類学会(the Asian Society of Ichthyologists)および日本魚類学会において表彰を受けている。著書に「奄美群島の魚類」(南日本新聞開発センター、分担執筆)、「Fishes of southern Taiwan」(国立海洋生物博物館、分担執筆)など。

開催日 2023年5月21日(日曜)
場所 神奈川県立生命の星・地球博物館 1階 西側講義室
開催時間 14時30分から15時30分
料金 無料
主催

魚の会(うおのかい)

「魚の会(うおのかい)」は、研究や産業、趣味を通じて「魚」に携わる人々が気軽に集い、親睦をはかり、あわせて水圏の環境保全に寄与することを目的として活動しています。第一線で活躍されている著名な先生をお招きして開催している年4回の講演会には、どなたでも自由に参加できます。お知り合いの方もお誘い合わせの上、お気軽にご参加ください。

問合せ先 神奈川県立生命の星・地球博物館 担当:瀬能 宏
電話:0465-21-1515 e-mail:senou@nh.kanagawa-museum.jp