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地球が生んだ多様な生物 多様性をもたらしたもの

 

Ⅰ 地球が生んだ多様な生物種

水の惑星ー地球は、おだやかな環境をたもちつづける反面、その環境をさまざまに変化させてきました。
生き物は、このような変化のなかでたくみに進化をつづけ、海から陸へと生活の場を広げました。
地球に繁栄する多様な生き物の生きるすがたを探ります。

 

陸上への適応 Adaptation to Terrestrial Habitats

約35億年前、最初の生命が海の中で誕生して以来、生命進化の舞台は、常に海の中でした。
原始的なラン藻類のつくりだした酸素は、やがてオゾン層を形成し、陸上に降りそそぐ紫外線の量が少なくなりました。
古生代オルドビス紀に入ると植物の陸上が始まります。
わたしたちの祖先である、背骨を持つ動物(脊椎動物)の進化の舞台が陸上に移ったのは、デボン紀のことです。

背骨を持つ動物(脊椎動物)の進化のイメージ画像

陸上植物の系統 Phylogeny of the Land Plants

ホオノキ

陸上植物の祖先は、一生のほとんどを水中で過ごす緑藻類の一部で、上陸したばかりの頃は、とても単純な形をしていました。
その後、茎として立ち上がり、枝分かれをし、芽や葉ができ、根を伸ばし、幹をもつものが現れました。
種子を作り、花を咲かせるといった、現在最もよく見られる植物の形が生まれるには長い年月がかかりました。

魚類の世界 The World of Fishes

リュウグウノツカイ展示室

魚類は最初の脊椎動物で、今からおよそ5億年前の古生代カンブリア紀に現れました。
体の形や生活のしかたを多様に進化させ、いまでは3万4千種以上が知られています。
世界中に分布しており、平野の川や湖から標高5,000 mをこえる高地の谷川、熱帯のサンゴ礁、極地の氷の海、そして沿岸から水深8,000 m付近の深海まで、さまざまな水域に進出しています。

恐竜の世界 The Age of Dinosaurs

爬虫類は古生代石炭紀後期(約3億年前)に出現しました。
そして、中生代三畳紀終わりころ(約2億3,000年前)から多様化しはじめました。
陸上には恐竜が、空には大きな翼を広げて飛ぶ翼竜がいました。そして海の中には魚のような形の魚竜や紡錘形のからだをした首長竜、海トカゲなどが泳いでいました。
恐竜をはじめとするこれらの爬虫類は、中生代が終わるまでおよそ1億6,000万年ものあいだ栄えました。

恐竜の世界展示の画像 エドモントサウルスの画像

恐竜から哺乳類へ From Dinosaurs to Mammals

いまから約2億年前、単弓類の一つのグループが「哺乳類」へ進化しました。
哺乳類は、からだが毛(体毛)でおおわれ、体温を一定にたもち、耳小骨じしょうこつ鐙骨あぶみこつ砧骨きぬたこつ槌骨つちこつの3つで構成されるなどの特徴をそなえています。
約6,600万年前、恐竜たちが絶滅すると、哺乳類は急速に地球のさまざまな環境に適応して広がりました。

哺乳類の展示の画像

鳥類の世界 The World of Birds

鳥類の飛翔展示の写真

鳥類は、前あしが羽毛におおわれた「翼」になっています。
大部分の鳥類は空を自由に飛ぶことができ、胸骨と翼の付け根を結ぶ筋肉は飛ぶために大きく発達しています。
翼は様々な形や大きさの羽毛でおおわれており、大きな面積の割にとても軽くなっています。
また、骨も中空で軽く、体重に占める割合は5~10%ほどしかありません。
鳥類の仲間は、哺乳類の2倍以上にあたる約10,000種が知られ、このうち日本では600種あまりが確認されています。

再び海へ Marine Mammals -Back to the Sea

クジラの祖先は、陸上生活をする4本あしの動物でした。
クジラは、いったんは陸上生活に適応したからだのつくりを再び変化させて、水中生活をするようになった哺乳類です。流線型のからだ、ヒレのようになった前あし、水平に広がった尾などは、水中生活に適応した形です。
その一生を海ですごすクジラは、浮力のはたらきでからだを支える必要がないことや、広い海の豊かな食べ物を利用できたことなどから、巨大なからだになったと考えられています。

マッコウクジラの全身骨格

ゾウの進化 Evolution of Elephants

ゾウの進化展示の画像

新生代(6,600万年前~現在)に入り哺乳類は各地に生活の場を広げました。
その中で、草原に出てそこの植物を食べることに適応し、特殊な進化をした哺乳類のなかまに「ゾウ」のグループがあります。
ゾウのなかまは、いまから約6,000万年前に現れ、現在、陸上に住む動物の中で、もっとも大きなからだをしています。
ゾウの進化のようすは、からだ、頭、鼻、歯などの変化に現れています。

森の開拓者・霊長類

豊かな森林を哺乳類として本格的に利用することができたのは、サルの仲間、霊長類です。
枝や葉がしげっている樹上は、捕食者や競争者の少ない世界です。ここで、サルの仲間の祖先は、からだのしくみや生活のしかたをさまざまに発展させ、たくさんの種にわかれました。
そして、森林からサバンナや砂漠へと生活の場を広げ、それぞれの環境にあわせた生活のしかたを見につけてきました。
このような発展のなかで、私たち人類の祖先も現れてきました。

哺乳類の展示の画像

被子植物の世界 The World of Angiosperms

板根の写真の画像

約1億年前に出現した被子植物は、胚珠を保護する構造を発達させたことで、花や果実、種子の色やかたちが多様になるきっかけを得ました。
花には、魅惑的な色やかたち、香りや蜜によって、昆虫や鳥類、哺乳類たちを引き寄せ、花粉を運んでもらうための役割があります。
種子や果実には、動物に食べられたり、くっついたり、グライダーのように飛んだりすることで、離れた場所で新しく芽生えるための役割があります。

昆虫の世界 The World of Insects

現在、世界にはおよそ100万種の昆虫が知られていますが、毎年多数の新種が追加されており、今後調査が進むと、その種数は数100万種にのぼるといわれています。
からだの色や形はさまざまで、美しい色彩や奇妙な形をしたものもたくさんあります。
昆虫がこれほどまでに多様な発達をとげたのは、飛べることと、からだが小さいことなどの理由によると考えられます。
昆虫は海中をのぞくあらゆる環境に適応し、多様化してきたのです。

オオルリアゲハとモルフォシジミ バイオリンムシ

 

II 多様性をもたらしたもの

生物のもつ形質は、「DNA」という遺伝物質によって、親から子に伝えられます。
そして、生き物は、地球のさまざまな環境変化の中で、新しい形質を生みだしてきました。
生命が共通の祖先から進化し、さまざまな生き物をはぐくんだしくみを探ります。

 

生き物とDNA DNA in All Organisms

DNAの展示の画像

バクテリアから人間まで、すべての生き物はDNAという共通の物質をもっています。
DNAは、親から子へと代々受け継がれていく遺伝物質で、アデニン、グアニン、シトシン、チミンという4種類の「塩基」が列をつくって並んでいます。
この塩基の並び順をもとに、生き物のからだをつくるさまざまなタンパク質がつくられます。
このように、すべての生き物がDNAをもっていることは、生き物が、共通の祖先から進化してきたことを示しています。

多様性が生まれるしくみ Origin of Biodiversity

DNAは正しく複製されるしくみによって、親から子へ伝わります(遺伝)。
でも、まれに違ったDNAができることがあります(突然変異)。
突然変異が起こると、見た目や性質が親と違った子が生まれることもあります。
さらに、世代を経るうち、生き物どうしや環境との関わり合いによって、見た目や性質の変化が加速されたり(自然選択)、新しい種が生まれたりします(種分化)。私たちが目にする多様な生き物は、こうして進化し続けています。

ノコギリクワガタ属のオスの大あごの変異
カラスヤンマのメスにみられる<ruby>翅色多型<rt>ししょくたけい</rt></ruby>

学芸員の展示余話

展示室で語り切れない特別な内容を紹介します。