学芸トピックス―瀬能 宏―
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学芸トピックス―瀬能 宏―
学芸員の瀬能のコメントが日本経済新聞電子版に掲載されました

学芸員の瀬能のコメントが日本経済新聞電子版に掲載されました

2014年7月27日更新

7月19日付け日本経済新聞電子版に掲載された「おでかけナビ」の記事「地球温暖化の影響?千葉の海でクマノミやサンゴ」の中で、関東近海における死滅回遊魚のルーツや熱帯性魚類の出現状況に関する学芸員の瀬能のコメントが掲載されました。駿河湾から伊豆半島、相模湾にかけての沿岸に出現する死滅回遊魚には、マサカリテングハギのように沖縄よりも南方の台湾から流れ着いたと考えられる魚もあります。しかし、近年の魚類相の比較研究では、屋久島の魚類相が琉球列島のものときわめて似ていることに加えて、黒潮が卵や仔魚を振り落としたり巻き込んだりする物理的特性を考慮すると、死滅回遊魚の多くが屋久島以北から供給されている可能性があることがわかってきました。現在、国立科学博物館や鹿児島大学、高知大学の研究者たちとこの仮説を検証する調査研究が進められています。

※この記事は7月27日付けの同紙「日曜に考える」のコーナーでも取り上げられました。

黒潮と魚相を比較した地図
黒潮流域12地点の沿岸魚類相の比較。青い線で囲まれた地点は魚類相が似ていることを示す。瀬能 宏原図。