学芸員の苅部がベトナムのサナエトンボ2新種を含む論文を発表しました
2015年9月13日更新
学芸員の苅部が、日本トンボ学会が発行する学会誌『TOMBO』において、ベトナム産のサナエトンボ科2新種を含むトンボ相の新知見について発表しました。
今回新種として命名したのは、カルスト地形の湧水流から発見されたTrigomphus kompieri Karube (学名の種名は、この種類の発見者のTom Kompier氏にちなんでいます)と、ハノイ近郊の丘陵地の中流域から発見されたLamelligomphus vietnamensis Karube (学名の種名は、「ベトナムの」という意味です)で、両種は中国海南島から記載されたTrigomphus hainanensis とLamelligomphus hainanensis にそれぞれ近縁です。
いずれもオスの交尾器や副性器、体の斑紋などの他、遺伝的にも近縁種と明確に区別されます。また、ベトナム新記録として4種を新たに報告するとともに、メスのみが知られ正体が明らかではなかったLeptogomphus uenoi Asahina のオスを初めて報告し、分類学的な位置づけを明らかにしました。

図1 Trigomphus kompieri Karube (KPM-NK2002521)

図2 Lamelligomphus vietnamensis Karube (KPM-NK2002522)
詳細論文
Karube, H., 2015. Additional records of Vietnamese Odonata I, with descriptions of two new gomphid species. Tombo, 57.: 27-35.
※KPM-NKは当館の資料番号であることを示す記号です。