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利用しやすい博物館づくりに取り組んでいます―平成30年度に重点的に取り組んだ利用者サービスの概要―

利用しやすい博物館づくりに取り組んでいます―平成30年度に重点的に取り組んだ利用者サービスの概要―

2019年5月14日更新

 当博物館は博物館法に基づき、資料を集め、その資料に基づく調査研究を行い、その成果を展示や講座などを通じて県民はじめ利用者のみなさまに広く伝えることに取り組んでいます。これらの業務に関連して、平成30年度に特に重点的に取り組んだことについて、お知らせします。

 

(1)学芸員によるレファレンス

 レファレンスとは、「この生きものの名前を教えて欲しい」「庭に使われている石材がどんな環境でできたものか教えて欲しい」「化石採集を体験したいがどんなところに行けばよいだろうか」といった、利用者のみなさまからのさまざまなご質問、ご相談に対し、学芸員がそれぞれの専門的な知識に基づき一対一の対話形式で対応する業務です。

 当博物館では広く開かれた博物館を目指して、レファレンスを無料のサービスとして実施しており、学芸員も日頃から力を入れて取り組んでいます。

 平成30年度は年間約3,800人からのご質問に対応し、なかでも資料の同定(その資料がどのようなものであるかを調べること)は約10,000件に達しました。この件数は、国内の自然史系博物館の中でも有数のものとなっています。

 これらのレファレンスの成果は、利用者の方々の自然に対する興味を養い、知識を向上させる生涯学習の手助けとなるだけでなく、児童生徒の学習のお手伝い、市販されている図鑑をはじめとする各種の書籍、他の博物館の図録や印刷物などへの協力のほか、国内外の研究者の学術著作への寄与など、さまざまなかたちで利用されています。

 

(2)館内サインの改善

 施設や設備の場所、展示室の順路などのさまざまな館内サインは、地味ですが博物館の利用しやすさを左右する重要なものです。

 特に、ここ数年は、当博物館も外国人をはじめとするさまざまな言語を母語とする来館者が増加しているほか、数多くの高齢者や未就学児の来館者の方々向けに、誰にでもわかりやすい案内の必要性が高まっています。

 当博物館では、シンプルで統一感のあるデザインを目標に、ユニバーサルデザインの視点に立ち、ピクトグラム(絵文字・アイコンなどとよばれることもあります)を活用し、子どもや外国人にもわかりやすく、視認性の高い館内サインの改善に取り組みました。改善にあたっては、他施設の事例だけではなく、実際に来館者のみなさまと接しているスタッフの意見を積極的に取り入れることで、館内サインをとおしてより利用しやすい施設づくりを進めました。

 

(3)芝生広場の猛暑対策

 当博物館前庭の芝生広場は、入館される方の散策の場だけでなく遠足の小学生のお弁当広場などとしても広く利用されています。しかし、この芝生広場には日陰がほとんどないため、夏季の猛暑日などには、熱中症などが心配されました。

 そこで、芝生広場の一角に簡易ミストシャワーを設置し、クールダウンスポットとして整備をしました。このミストシャワーは、子どもをはじめとした利用者のみなさまからご好評をいただき、夏の暑い時間帯でも芝生広場を憩いの場として利用いただけるようになりました。

 

これら3件の取組は、神奈川県庁内でも評価され、平成31年3月に「神奈川県教育委員会職員功績賞」(教育長表彰)を受賞しました。