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特別研究員の和田の研究が新聞で紹介されました

特別研究員の和田の研究が新聞で紹介されました

2021年4月23日更新

特別研究員の和田が深海性のカサゴの仲間であるアカカサゴの分類学的研究についてのインタビューを受け、2021年4月19日付で南日本新聞に記事が掲載されました。駿河湾をタイプ産地とするアカカサゴLythrichthys eulabes Jordan & Starks 1904は発見されてからおよそ100年間、姿形がよく似たリスリイクチス・ロンギマナスとリスリイクチス・サイフォとの識別法が存在しておらず、近年までこれら3種を同一の種とみなす考え方が定説となっていました。しかし国内外の研究機関が所蔵する1,000件以上の標本を網羅的に調査した結果、これら3種が特定の部位のうろこや頭部のとげの形などの特徴に加え、遺伝子の特徴によっても識別されることが明らかとなり、それぞれが別種として再記載されました。日本における分布が確認されたリスリイクチス・ロンギマナスとリスリイクチス・サイフォには、それぞれ“スミクイアカカサゴ”と“アズキカサゴ”という新たな標準和名が与えられました。スミクイアカカサゴは成魚の口腔が墨を塗ったように黒いこと、アズキカサゴは最大でも標準体長7 cm程度の小型種であることに加え赤黒い体色をもつことにちなんで命名されました。

 

これらの結果は日本魚類学会が発行する英文誌“Ichthyological Research”に2021年2月19日付でモノグラフとして電子出版されました。同論文中では上述の3種とは別に、オーストラリア近海に生息するアカカサゴ属の2新種も報告しています。

 

この報告に使用されたアカカサゴ、スミクイアカカサゴ、およびアズキカサゴの標本の一部は神奈川県立生命の星・地球博物館に魚類標本コレクションとして収蔵されています(写真)。

 

アカカサゴ
KPM-NI 8591, 標準体長105.7 mm,
静岡県 伊豆半島南岸沖

スミクイアカカサゴ
KPM-NI 40627, 標準体長, 148.6 mm,
静岡県 駿河湾

アズキカサゴ
KPM-NI 17941, 標準体長47.1 mm,
静岡県 駿河湾

論文情報

Wada, H., Kai, Y. and Motomura, H. 2021. Revision of the resurrected deepwater scorpionfish genus Lythrichthys Jordan and Starks 1904 (Setarchidae), with descriptions of two new species. Ichthyological Research, DOI: http://doi.org/10.1007/s10228-020-00793-z