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【特別展】初三郎式、かながわの描き方 ―地形表現の科学―

【特別展】初三郎式、かながわの描き方 ―地形表現の科学―

吉田初三郎・作「神奈川県鳥瞰図」など大正から昭和初期に描かれた鳥瞰図は、航空機が一般的ではなかった時代に高いところから見る視点を提供してくれました。これらには名所旧跡などが外観を再現した挿し画で絵解きされていますが、立地している場所や全体的な山水についても立体的に表現していることが見どころとなっています。この特別展では、鳥瞰図という題材について、生み出された時代背景を人文科学的、地形表現を自然科学的なアプローチで迫ります。 

開催期間 2025年7月19日(土曜)から 11月9日(日曜)
開催時間 9時から16時30分(入館は16時まで)
休館日 休館日案内をご覧ください
観覧料
(常設展含む)
20歳から64歳:個人 720円(団体 610円)
20歳未満・学生:個人 400円(団体 300円)
高校生・65歳以上:200円
中学生以下:無料
展示場所 1階 特別展示室
主催 神奈川県立生命の星・地球博物館
共催 神奈川県立歴史博物館
後援 日本地図学会、箱根ジオパーク推進協議会、神奈川新聞社、tvk
協力

小田原市郷土文化館、箱根町立郷土資料館、(公財)徳富蘇峰記念塩崎財団

展示内容

初三郎式鳥瞰図とは?

大正から昭和にかけて活躍した吉田初三郎等の鳥瞰図絵師が描いた、独時のスタイルを持った鳥瞰図を「初三郎式鳥瞰図」と称しています。


日本鳥瞰 近畿東海大図絵(吉田初三郎)1927(昭和2)年

昭和初期の「かながわ」

初三郎・作、神奈川県立歴史博物館収蔵の「神奈川県鳥瞰図」(昭和7年製作、肉筆原画)のレプリカを展示(横幅4m)。どのように地形を見ているか、当時の地形はどうだったのかなどを紹介します。また、出版されていたものとの違いを比較します。


神奈川県鳥瞰図(吉田初三郎)1932(昭和7)年

 


出版物のうち、1933(昭和8)年に刊行された「神奈川県(内題:神奈川県観光図絵)(吉田初三郎)」

「かながわ」を旅する

初三郎などの鳥瞰図には、鉄道会社の路線案内のようなものが有名ですが、観光地を主体にしたものも多く存在します。神奈川県内では大正時代後半から描かれています。特に箱根や南足柄・大雄山は、国立公園への指定が検討され始めた昭和5年から指定された昭和11年にかけて、ブームのように鳥瞰図が多数作成されています。またこの時期には、海外からの観光客を誘致する動きがあり、この影響が見られます。

箱根名所図絵(吉田初三郎)1917(大正6)年

 


道了大薩埵鎮座大雄山名所図絵(吉田初三郎)1930(昭和5)年

 


大山阿夫利神社参拝便覧(内題:大山阿夫利神社図絵)(金子常光)1927(昭和2)年

 


鎌倉江ノ嶋名所図絵(吉田初三郎)1917(大正6)年

 


観光を海に求めて三崎町一帯(内題:景勝の三崎町 油壷・城ケ島)(金子常光)1933(昭和8)年

 


横浜市鳥瞰図(吉田初三郎)1935(昭和10)年

 


遊覧早わかり神奈川県絵図(金子常光)1929(昭和4)年

「かながわ」を描く ―鳥瞰図の再現―

航空機での移動などが自由ではなかった時代に、なぜこのような鳥瞰図を描くことができたのでしょうか。鳥瞰アングルを推定したCG鳥瞰図などを使って紹介します。

神奈川県鳥瞰図(吉田初三郎)から、小田原・箱根地域の拡大
小田原・箱根地域の拡大図での構図判読
CG鳥瞰図による小田原・箱根地域の再現

CG鳥瞰図による神奈川県鳥瞰図の再現

地形表現の変化

山々の形を表現する方法として、まんじゅうのようにこんもり盛り上がった型から、短い線によって山ひだを表した「うんせん」、同じ標高を線でつないだ「等高線」へと進化してきました。さらに、視覚的に立体感が得られるように、陰影をつけています。現在ではコンピュータを使って地形を描く方法が開発され、当館では「宙瞰図」を作成しています。

 

「相州箱根温泉真景全図」1902(明治35)年より箱根中央火口丘周辺
二十万分一輯製図「横須賀」1887(明治20)年より、箱根中央火口丘周辺
二十万分一帝國圖「横須賀」1915(大正4)年より、箱根中央火口丘周辺
傾斜量図による箱根中央火口丘周辺
25万分の1立体地勢図「東京・富士山」(過高率3倍)より、箱根周辺
宙瞰図「宇宙から見た神奈川」

宙瞰図ポスター・クリアファイル

特別展のおみやげに、宙瞰図ポスター・クリアファイルはいかがですか?

ミュージアムショップにて販売中!(ミュージアムショップの通信販売も行っています)

 

  • 宙瞰図ポスター 価格:1,030円(税込)
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  • 宙瞰図クリアファイル 価格:385円(税込)
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イベント

講座

あなたのパソコンで地形を見る

日時
  1. 2025年8月5日(火曜)10時から15時
  2. 2025年10月5日(日曜)10時から15時
申込締切日
  1. 2025年7月22日(火曜)
  2. 2025年9月23日(火曜)
内容 自分のパソコンを使って鳥瞰図を計算する実習をします。基になる地形の知識は、旅や街歩きだけではなく、防災や日々の生活でも役立ち、教職員の方には授業で使うこともできます。
申し込み 事前申し込み制(抽選)
対象
  1. 教員を優先とした成人
  2. 成人
定員
  1. 12人
  2. 6人

※10月5日開催の申込ページは、7月上旬頃に公開予定です。

8月5日開催 申込ページ

地形地質と鳥瞰図の観察会 南足柄

道了大薩埵鎮座大雄山名所絵図(吉田初三郎)1930(昭和5)年より、最乗寺周辺拡大
日時 2025年9月28日(日曜)10時から15時
申込締切日 2025年9月16日(火曜)
内容 吉田初三郎・作の「神奈川県鳥瞰図」や「大雄山名所図解」を手に、描かれている名所旧跡や地形を見て歩きます。険しい道は少ないですが、それなりの距離があり、アップダウンもあります。
申し込み 事前申し込み制(抽選)
場所 南足柄市周辺(大雄山駅)
対象 中学生から成人
定員 25人
備考 雨天中止

※6月末頃に申込ページを公開予定です。

地形地質と鳥瞰図の観察会 横浜・桜木町

神奈川県鳥瞰図(吉田初三郎)1932(昭和7)年より、横浜中心部拡大
日時 2025年10月18日(土曜)10時から15時
申込締切日 2025年10月7日(火曜)
内容 吉田初三郎・作の「神奈川県鳥瞰図」や「大雄山名所図解」を手に、描かれている名所旧跡や地形を見て歩きます。険しい道は少ないですが、それなりの距離があり、アップダウンもあります。
申し込み 事前申し込み制(抽選)
場所 横浜・桜木町(野毛山公園周辺)
対象 中学生から成人
定員 25人

※7月上旬頃に申込ページを公開予定です。 

小田原景勝鳥瞰図に書かれた建造物の石材の見学会


小田原景勝鳥観図(吉田初三郎)1940(昭和15)年頃より、中心部拡大
日時 2025年11月2日(日曜)13時から15時
申込締切日 2025年10月21日(火曜)
内容 吉田初三郎・作「小田原景勝鳥瞰図」に描かれた建造物には、神奈川県産の石材が多く使われています。使われている石材の観察を中心に、鳥瞰図に描かれた建造物を紹介していきます。
申し込み 事前申し込み制(抽選)
場所 小田原城址公園周辺
対象 小学4年生から成人
※小学生は保護者の参加が必須です。
定員 30人
※申込ページは8月上旬頃に公開予定です。

展示解説


担当学芸員による解説(前回の様子)
内容 学芸員が特別展の展示資料や資料にまつわるエピソードなどを解説します。
申し込み 事前予約不要
場所 特別展示室入口付近

※日時については、後日公開いたします。

ミュージアム・リレー
特別展「初三郎式、かながわの描き方」を学芸員が解説します!


担当学芸員による解説(前回の様子)
日時 2025年8月22日(金曜)13時15分から14時45分
申込締切日 2025年8月9日(土曜)
内容 特別展「初三郎式、かながわの描き方」を学芸員がご案内します。
対象 中学生以上
定員 20人

ミュージアム・リレー
申し込みページへ
 

第144回 サロン・ド・小田原
鳥瞰図や地図を楽しむ。特別展「初三郎式、かながわの描き方」より

担当学芸員による解説(前回の様子)
日時 2025年9月13日(土曜)14時から15時30分
内容 吉田初三郎・作「神奈川県鳥瞰図」など絵地図や、大日本帝国陸地測量部の作成した明治から昭和初期の地図などを使って、その楽しみ方を紹介します。
申し込み 事前申し込み不要・当日受付
定員 先着45名
話題提供 当館学芸員 新井田秀一

サロン・ド・小田原
詳細ページへ

講演会

 吉田初三郎の鳥瞰図を語る

日時 2025年10月13日(月曜・祝日)13時から15時
申込締切日 2025年9月24日(水曜)必着
内容 神奈川県立歴史博物館と当館が共催する特別展「初三郎式、かながわの描き方―地形表現の科学―」の関連行事として、両館学芸員と、府中市美術館学芸員の大澤真理子氏を講師に、吉田初三郎が描いた鳥瞰図の魅力を語ります。
申し込み

事前申し込み制、申込多数の場合は抽選になります。
「神奈川県立歴史博物館への往復はがき」または「神奈川県立歴史博物館の申込フォーム」より応募となります。
申込フォームは、後日公開されます。(時期未定)

場所 当博物館 1階 講義室
対象 どなたでも
定員 70人
講師 大澤真理子 氏(府中市美術館 学芸員)
武田周一郎 (神奈川県立歴史博物館 学芸員)
新井田秀一当館学芸員
問い合わせ先

神奈川県立歴史博物館 企画普及課

電話:045-201-0926(代表)

※当日の欠席連絡も本連絡先となります。