特別研究員の宮崎と学芸員の瀬能が博物館データベースを活用した外来魚類のモニタリングに関する論文を発表しました
2014年11月27日更新
当博物館で収集されてきた魚類の標本資料と写真資料の属性情報を活用し、どのような国外外来魚の情報が蓄積されてきたのか、またそれらの情報の収集に市民がどれだけ寄与してきたのかについて分析しました。今回、その成果がフィンランドのRegional Euro-Asian Biological Invasions Centreで発行しているオープン・アクセスの国際誌『Management of Biological Invasions』に公表されました。
本研究では、国内に定着・未定着の国外外来魚の生態的特性や導入経路の違いを明らかにするとともに、国内で未定着の外来魚の早期発見・早期排除には一般市民が貢献している可能性が大きいということ、さらに博物館資料として標本・写真資料を収集する意義について論じています。
論文に取りあげられている一部の国外外来魚の標本資料および写真資料の情報については、当館の魚類写真資料データベースで閲覧できます。
神奈川県立生命の星・地球博物館に登録・保管されている未定着の国外外来魚の博物館資料は、専門家や専門機関よりも一般市民の寄与率が高かったことがわかりました。
論文において、博物館に収集された国外外来魚の資料が、今年度の特別展「どうする?どうなる!外来生物 とりもどそう 私たちの原風景」において活用されたことを示しました。
書誌情報
Miyazaki, Y., A. Murase & H. Senou, 2014. A natural history museum as a platform for accumulating verifiable information on non-native fishes: A Japanese example. Management of Biological Invasions. doi: http://dx.doi.org/10.3391/mbi.2015.6.1