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【企画展】動物のくらしとかたち―薮内正幸が描いた生態画の世界―

【企画展】動物のくらしとかたち―薮内正幸が描いた生態画の世界―

【企画展】動物のくらしとかたち―薮内正幸が描いた生態画の世界―のチラシ画像(表)
【企画展】動物のくらしとかたち―薮内正幸が描いた生態画の世界―のチラシ画像(裏)

動物のしぐさや彼らがくらしている環境を描いた「動物生態画」は、図鑑や絵本などに広く使われてきました。今回の展示では、動物画家として著名な薮内正幸氏の絵画を動物の標本や写真とともに展示し、生態画の意義や動物のくらしぶり、かたちの多様さを紹介します。

開催期間 2024年2月23日(金曜・祝日)から 5月12日(日曜)
開催時間 午前9時から午後4時30分(入館は午後4時まで)
開催場所 1階 特別展示室
休館日 休館日案内をご覧ください
観覧料 無料(常設展示室への入場には観覧券が必要です)
主催 神奈川県立生命の星・地球博物館
共催 薮内正幸美術館
後援 福音館書店、神奈川新聞社、tvk
協力

相模原市立博物館、サントリーホールディングス(株)、(公財)日本鳥類保護連盟、フィールド・イン風露荘、郵政博物館、青木雄司、秋山幸也、落合けいこ(やまね工房 Cotton)、加藤千晴、菊谷詩子、木村洋子、神戸宇孝、重永明生、高橋律子、松本文雄、渡邊かをり

『つばめ・かるがも』原画
『どうぶつのおかあさん』原画
『くちばし』表紙絵

展示内容
ようこそ!生態画の世界へ

 

神奈川県でみられる猛禽類

神奈川県でみられる猛禽類14種をペン画で紹介しています。顔の模様やくちばしの形を見くらべてみましょう。

くちばしの形

『くちばし どれが一番りっぱ』の原画3点をはく製11点と共に紹介しています。標本を見ながら、鳥の食べ物とくちばしの形との関係をじっくり観察してみましょう。

動物生態画について


薮内氏と動物画

動物とともに、彼らのしぐさや生息環境を描いた『動物生態画』は、図鑑や絵本などに広く使われてきました。精密に描かれた動物生態画は、私たちの動物への興味、関心を引き出してくれます。

絵本『くちばし どれが一番りっぱ』下絵

くちばし どれが一番りっぱ』の構想段階のスケッチ帳を紹介しています。当初は『だれのくちばしがいいの』というタイトルでした

動物生態画ができるまで

動物生態画が出来上がるまでの制作過程や画材による画風の違いを原画7点や動画1点で紹介しています。

鳥を守ることは自然を守る

多様な環境でくらす鳥は、自然環境の豊かさの指標とされています。展示では、絶滅が心配されたり、身近で見られたりする鳥を取り上げ、人間と鳥とのかかわりを紹介します。

実物大で見る希少な鳥たち

絶滅の危機に瀕していた鳥類7種を実物大の原画とはく製等で紹介しています。これらは生息数が少ないことに加え、くらしている地域や環境が限られているため観察機会がほとんどない希少な鳥たちです。

鳥と環境とのかかわりを考える

サントリー株式会社と財団法人日本鳥類保護連盟(いずれも当時)が連名で展開したメッセージ広告の原画6点を紹介しています。私たちのくらしに鳥がどのように関わっているのか、展示を通して考えてみましょう。

猛禽のくらしとかたち

ワシやタカ、フクロウの仲間といった猛禽類の多くは、鋭い爪と嘴をもっている肉食性の鳥です。彼らのくちばしと足の形は、それぞれの食性を反映しています。原画5点とはく製でそれぞれの種を見比べてみましょう。

様々な環境で見られる鳥

世界には約1万種の鳥が生息しており、日本では、これまで600種ほどが記録されています。自然環境だけではなく人工的な環境でも見られる鳥は私たちにとって最も身近な生きものといえます。

薮内氏のお仕事

薮内氏は図鑑や絵本、児童書などの挿絵や機関紙、広辞苑や切手の原図などに作品を提供してきました。特に動物園の仕事を引き受ける機会が多く、『うらヤブ』と呼ばれる作品群も誕生しました。

動物画を描く

動物をモチーフにした絵画は、描き手によって使う画材や画風は様々です。展示では菊谷詩子さん(サイエンスイラストレーター)、秋山幸也さん(相模原市立博物館学芸員)、神戸宇孝(鳥類画家)の作品を紹介します。画風の異なる3人の作品をお楽しみください。

鳥を観察してみよう!描いてみよう!

場所や季節、環境や時間によって見られる鳥の種類は様々です。観察スポットは書籍やウェブサイト等で紹介されていますので、事前に調べてから行きましょう。

カバンの中を拝見!

鳥を観察したり描いたりするときに、どのような服装で何を持っていけばいいのでしょうか。鳥類画家の神戸宇孝氏と当館の鳥類担当学芸員が愛用している道具を紹介しています。

板戸に描かれたオオワシ

薮内氏が定宿としていた「フィールド・イン風露荘(根室市)」のダイニングの板戸に描かれたオオワシです。黒色の油性マジックと白色のクレヨンだけを使っており、ほぼ実物と同じ大きさで描かれています。

絵本に描かれた動物たち

ノウサギのくらし

ノウサギのくらしぶりを絵本『のうさぎ』の原画4点とミニジオラマで解説しています。番相手との出会いや身をひそめて捕食者をやり過ごす仔ウサギなどを観察してみましょう。

動物の親子

動物の親子を15点の原画とはく製で紹介しています。おとなにそっくりな子どももいれば、おとなと子どもで体の色や模様が違うものもいます。

薮内正幸氏の描く絵本の世界

代表作『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』など動物をリアルに描く薮内氏のスタイルは、絵本や児童書においても変らず、本物の動物の姿を子どもたちに伝えています。

としょしつ

薮内正幸氏の関連書籍を自由に見られます。原画が展示されている絵本もあります。落合けい子さん(やまね工房Cotton)特製のぬいぐるみと一緒にお楽しみください。

撮影スポット

館内に4種類の記念撮影スポットを設けています。絵本に出てくるあの絵と一緒に記念撮影してみませんか。

あとの2か所は来館して見つけてみてね!

 

薮内正幸 氏 プロフィール

薮内正幸 やぶうち まさゆき(1940 - 2000)

1940年大阪に生まれる。子どもの頃から動物が好きで、独学で動物の画を描き始める。 1959年、高校卒業と同時に上京。図鑑画を描くため福音館書店に入社し、図鑑・絵本の画を担当する。 他社からの画の依頼が増えたため、1971年にフリーランスに転身。動物画家として図鑑、絵本、広告など幅広い分野で活躍する。 動物たちへの温かい眼差しで描かれた作品は一万点以上遺されている。 2000年逝去。


『しっぽのはたらき』表紙絵

関連イベント


『冒険者たち ガンバと十五ひきの仲間』表紙絵